28歳の時に「このままでいいのだろうか?」という内なる声に突き動かされ、英会話学校に通い始めました。そうした心の声に従ったからこそ、私は「起業」のきっかけを得ることができたのだと思っています。そして語学を学ぶうちに「海外へ行きたい」という気持ちが沸々と自分の中に芽生えていきました。それが海外へ留学を決めたきっかけです。
当時、留学する人々は限られていましたが、最後には「自分の想い」が勝り、スイスに渡っています。その後、渡英し、ついにオーストラリアのマーケティング会社に勤務することになったのです。その際に現在のビジネスの根幹となる派遣サービスのヒントを得ることができました。女性が精力的に働く姿に驚き、誰かが休んでも臨時で派遣されるスタッフがスムーズに仕事をこなす姿に衝撃を受けたのです。帰国後には一度就職しようと思いましたが、それまで自由な環境で働いてきた経験が根付いていたため、男性主導であった日本の環境に違和感を感じていました。そこで当時、日本にはなかった「人材派遣」というサービスを始めてみようと思い立ったのです。そして起業の道を選びました。
創業当時は終身雇用が当たり前の時代でしたので、案件獲得どころか、サービスを理解していただくこと自体が大きな障壁になりました。しかし諦めずに続けたからこそ、現在の当社が形作られていったのだと思います。運営資金を稼ぐため、夜になったら表札を変え、英会話教室を開講していた時期もありました。外資系企業での海外経験があったことで、語学力を活かして働きたい方々の気持ちが理解できたことが役立ったのかもしれません。そして少しずつ「お得意様」が増え始めていきました。一日も休むことなく無我夢中で営業活動を続けていったのです。そんな努力が実を結び、お得意様が他の企業を紹介してくれたり、優秀なスタッフがお友達を紹介してくれたりすることで、徐々に需要も拡大していきました。
たとえつまずいても、そこから何かを学ぶことができれば失敗ではありません。私もつまずくことで、多くの学びを得てきました。そして一度挑戦すると決めたことは、諦めることなく続けてきました。だからこそ道が拓けたのです。まさに私が事業を発展させていく過程で重要だと感じたことは、「失敗を恐れずにチャレンジし続けていくこと」でした。
これから社会で活躍していく皆さんも、様々なことを前向きに取り組み続けてほしいと思います。そして、自分が興味を持ったものをぜひ継続してみてください。失敗を恐れず、ひたむきに未来だけを見続けていけば、必ず道は拓けていくのですから。