私は前代表の急逝により、２０２１年から代表に就任しています。それまでは社長就任の打診を受けても「入社時からの目標であった副社長になりたい」と固辞していました。当時、自分が代表になれば従業員と一緒に何かをするということが難しくなるのではないかと考えていたためです。何より自分にとっては、従業員と共に様々なことに取り組んでいくことが大きなやりがいと会社の発展に繋がると思っていたからです。

代表に就く前は、組織編成とは別に商品開発や業務改善、ブランディングといった多様なチームを作り参画してきました。どれも所属する課を超えてのチーム編成です。どんなに能力があっても会社員としての作業ばかりに時間を費やしてしまうと、なかなかスキルを上げることは容易ではありません。ルーティンの業務は単なる作業になりがちだからこそ、少し違った座組のチームで仕事をしてもらい、従業員一人ひとりの隠れた能力を引き出したいと考えてきました。今年もInstagramとレシピの会というチームを作っています。

そうしたチームへの参画は代表に就任してしまうとできなくなると思っていましたが、意外にも従業員が面白がってやってくれたおかげで続けることができています。チーム作りの一番の目的は、働くことをおもしろいと思ってもらうことに他なりません。会社に行くのがおもしろいと思ってもらえるような会社を作らないといけない、それが私の使命でもあると考えてきました。

それらの考えが発端となり、チームでの仕事では、結果も求めますが何よりもプロセスを大事にしています。チームに参加したいと手を挙げてくれた、そのやる気のある姿勢を大切にしてあげたいのです。各々の活動の中で、例えば今まで目立たなかったような従業員が率先して目立つようなこともあるでしょう。何事にもそういった心意気が大切だと感じています。

当社は、愛知県豊橋市にある牛乳や乳製品、清涼飲料の製造販売を行っている会社ですが、将来的には１５０億円規模の販売目標を立てています。これには無謀だという声も多くありますが、愛知県の人口は７５０万人。当社商品を年間２千円購入頂くとすると、不可能な数字ではないと考えています。目標を達成するために必要なものは何かといえば、それは自己啓発と想像力ではないでしょうか。自己啓発というとセミナーに行くというイメージもありますが、自分で自分の人間力をチェックし、自己分析したうえで、そこから何が足りないかなどの課題を見つけることが創造力ある自己啓発だと私は考えています。運命をよりよい方向に変えるのも、仕事をおもしろいと思うことも、まずは自己啓発と想像力が鍵を握っていると思っています。ぜひ若い方々も自分を顧みることで、自らの人生を切り開いていってください。