ASKアカデミー・ジャパン株式会社 松田 友一
ASKアカデミー・ジャパン株式会社 取締役 CBD

松田 友一

Matsuda Yuichi

氏名
松田 友一 (まつだ ゆういち)
趣味
旅行、読書、武道、ドライブ
座右の銘
先義後利
尊敬できる人
自分にストイックに成果を追う人(ジーザス・クライスト、稲盛 和夫氏、松下 幸之助)

社名
ASKアカデミー・ジャパン株式会社
本社所在地
東京都豊島区南大塚3-12-9喜多ビル5F
資本金
2,040万円
従業員数
52名(2023年8月末現在)
事業内容
教育研修、コンサルティング(社会教育、各種学校)
ASKアカデミー・ジャパン株式会社 取締役 CBD

松田 友一

Matsuda Yuichi

AI時代にあえて伝えたい「セールスの極意」

私はセールスのプロとして企業に売る極意を伝える仕事を続けてきました。キャリアは自動車セールスからスタートしています。当時扱っていたのはトヨタ車、それも高級車クラウンでした。セールス先では「22歳のお前にクラウンの良さがわかるのか」と言われたこともあります。車の性能から安全性、カタログに書いてあることを捲し立てるのは二流のセールスに他なりません。一流の売り手は、「未来」を売るのです。

私は車を購入した人のデータを徹底的に調べ上げ、どんな人がクラウンに乗っているのか、どんな目的で購入したのか、そうした事実を一つひとつ積み上げ、クラウンに乗ればどんな未来が待っているのかをお客様に想像してもらうように心がけてきました。

ASKアカデミー・ジャパン株式会社 松田 友一

ニーズ(Needs)とは目的であり、対してウォンツ(Wants)とはその選択肢を指すもの。例えば、うどんが食べたいという人がいたとすれば、どうしてうどんなのか? というニーズ、つまり目的を訊きだすことが重要です。「海老天もいかがですか?」と単価だけを上げようとするのは三流で、例えばニーズが身体を温めたいのなら、別のウォンツを勧めるべきでしょう。そのほうがより顧客満足度は上がるはずです。ウォンツが「うどん」だとすれば、何故? というニーズにまで踏み込んでこそ、最善の提案が出来るはずです。そしてニーズをよく理解し、最善の提案をすることが顧客との信頼関係構築にもつながっていくのです。

モノを売るためにはデータ以外にも重要な要素があります。それが「トーン」です。セールスの場において、相手方は内容や数字以外に人を見ています。声、外見、醸し出す雰囲気、そういった全ての情報から判断して買う買わないを決めているのです。

現代では、Chat GPTに代表されるAI技術がビジネスにおいても台頭してきました。重用すべきところはすべきですが、ビジネスにおいて人の発する「トーン」を軽視して健全なビジネスの発展は望めないでしょう。デジタルネイティブの若い皆さんには、テクノロジーとの付き合い方には十分注意してほしいと思います。

まさに今私は、セールスの極意を企業に伝授するアカデミーを運営しています。そこで感じるのは、競争の原理だけでは成り立たない時代になったということ。これまでのビジネスでは限られたパイの中で奪い合うという思想が主流でしたが、皆さんが活躍する近い将来のビジネス界では、ゼロサムゲームは成立しない世の中になっているでしょう。そこで問われてくるのは人が発する「トーン」や「想像力」、人工知能が発達すればするほど反比例的に人間の知性と感性が重要視されていきます。真の答えはChat GPTではなく、自分自身の中にある。そのことを肝に銘じ、忘れずにいてほしいと思っています。