故郷の岐阜市は元々駅前に繊維問屋街がある繊維の町で、私も高校を卒業したら地元のアパレル会社に就職をしました。働きながら夜間はデザインスクールで学び、全国各地から海外まで仕事で飛び回る日々を送っていました。しかし、あるとき清掃業のフランチャイズを募集する新聞広告を見て、ふと興味を引かれました。ちょうど同じ頃に子どもが生まれて家族も増え、自営業ならば今よりも家にいる時間も増えると考えたのです。30歳までに何か一つ男として道を切り拓きたいという思いもあり、ちょうど今がタイミングだと感じて創業しました。
創業当初は、自分のプライドが邪魔をしてしまい、仕事を行うときの作業服がどうしても着ることができませんでした。仕事を発注する側からしたら、本当に真剣にやってくれるのかと不安になりますよね。そのせいか、当時はどんなに営業をしても全く仕事がもらえませんでした。しかし、いつでも作業服を着るように心に決め、自分の中でも抵抗感なく着ることができるようになった頃から徐々に仕事を頂けるようになっていきました。以前は「社長を目指してやっているんだ」とカッコよく言うだけであれば、「ふーん」という反応だった友人たちも、作業服姿の私を見て「あの人を紹介してあげる」と仕事を繋げてくれるようになりました。やはり覚悟を決めて仕事をしていると、人には伝わっていくものだと実感したことでもあります。

当社は、工場や店舗、病院などのカビ除去等を行うクリーニングやコンクリートの表面の補修工事といったビルメンテナンスを手掛けてきました。「ありがとう、こんなにきれいになるの」と言われると、嬉しくて嬉しくてたまりません。特にコンクリートの研磨洗浄は、有害な溶剤を使用せずに環境に優しく工事することができる、全国でも有数の特殊な技術を持っています。コロナ禍になってからは、住環境の中の菌を皆さんとても気にするようになり、それを除去して環境を整えていく衛生環境ビジネスにも力を入れて取り組んできました。
今、若い方たちと話をする機会があると、真剣に色々なことを考えていて、驚かされることが沢山あります。そんな素晴らしい若い人たちにどうしても伝えたいことは、20代のうちに多くの夢を持ってください、ということです。一つの夢だけで人生を終わらせるのはもったいない。20代のときに10個も20個も夢を出して、それを前に据えると、自然に行動が伴って自分の姿勢になっていくものです。挑戦した結果の失敗は失敗ではなく、経験に他なりません。たくさんある夢のうち、そのどれか一つに向かっている最中で、自分の新たな可能性にも気が付いていくことでしょう。そうすることで自ずと成功の道へと進み始めていきます。ぜひ自分を信じて突き進んでください。