弊社は業務用システム開発やその運用サポートなどを行っているIT企業です。そのため私自身もIT畑で育ってきたと思われがちですが、実は入社した時はITはまったくの未経験でした。それ以前に何をやっていたかと言うと、鍼灸師なのです。エクセルもワードも使えない、ITに関しては完全に素人でした。これを聞いて、少しは勇気や希望を持てた方々もいるのではないでしょうか。

当然ですが、入社してからはITの基本を学ぶことからスタートし、創業者である父親のカバン持ちをしながら、少しずつ自分のできることを増やしていきました。社内の数字を管理したり、社長と社員たちを繋ぐリエゾンとなったりして事業を進めていったのです。

その後、モバイルから自動車への事業転換をスタートさせ、２０１５年には東京証券取引所JASDAQ（スタンダード） に上場し、現在はプライム市場に移行しました。振り返ってみると、変化の激しいIT業界で常にチャレンジと変化対応をし続けていると思います。

なぜ大変な道を選ぶのか、それは成長するために他なりません。私にとって企業とは、成長し続けるものだと考えているからです。それは社員の生活水準を上げるため、成長した社員たちにポストを与えるため、そして私自身も成長し続けるためでもあるでしょう。だからこそ難儀な道ばかりを選んできました。

そんな私から若い皆さんに伝えられることがあるとすれば、「石の上にも三年」です。３年続ければ自分の適性も掴めるでしょうし、大きく成長するチャンスが到来するかもしれません。早すぎるジャッジで自らの可能性を消してしまうのは、少しもったいない気がするのです。

最近、話題になっているので、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、今IT業界はChat GPT旋風が起こっています。なんでも答えてくれる人工知能（AI）に、人間の仕事は奪われてしまうのではないか、そんな心配もなさっている方もいるでしょう。しかし、こうした未知の技術こそ否定せずに正しく受け入れてください。受け入れた上で自分たちの強みと融合させていく、これが進歩の姿だと思います。

例えば弊社であれば、お客様との関係性が強みであり、またIT分野においてもまだまだ人にしかできない技術もあります。未知のものを取り入れて成長する、それが強く生き続ける企業の姿なのです。そして企業も変化すれば、社員も変化し、もちろん経営者も変化していきます。その先には前の自分にはなかった強み、一角の人間として評価されるスキル、マネジメント力が身に付いていくでしょう。私も鍼灸師から未知の世界に飛び込み、成長を続けてきました。ぜひ皆さんも変化を恐れず、未来の扉を開けるための挑戦を続けてみてください。