自動車流通業は100年に一度の大変革期を迎えています。あと10年もすれば販売する車の大半が電気自動車に移り変わり、レベル5の完全自動運転になれば運転免許が不要になる可能性だってあるでしょう。世界中で今、走行中の自動車は12億台と言われていますが、それを取り巻く環境が近い将来、飛躍的に変わっているところなのです。
もともと私が創業したきっかけは、当時信頼性が低かった中古車を、お客様に信頼され安心して利用される価値のある商品として、より多くの方に提供することでした。その思いは現在でも変わりありません。社屋は福島の田舎の小さな小屋、従業員は私を含めて2人だけでした。それでも社名に”インターナショナル“と入れたのは、いつかは世界進出をすると決めていたからです。周囲は冷ややかな反応ばかりでしたが、決して思いは揺るぎませんでした。
目標を達成していくためには、外に向けて発信し続けることが大切です。「こうなりたい」ではなく「こうなるんだ」と言い続けると、素晴らしい人達や有益な情報が集まってくるものです。会社設立時、5年以内に500店舗を目指すと宣言した時も、最初は笑われましたが本気で発信し続けました。単に頑張るのではなく、無我夢中で仕事に取り組むことで周囲が次第に耳を傾け、協力してくれるようになっていったのです。

その後、4年9カ月で500店舗を達成。目標に到達することができたのも、今では世界各地にネットワークを広げることができたのも、その自身の思いを積極的に発信し続けてきたことが一つの要因になったと思っています。
私の故郷には猪苗代湖という湖がありますが、湖面をジェットスキーで走ると、広い湖が自分のものになったような感じがして気分は爽快です。対して、浜辺でそれを見ているだけの人たちがいます。彼らは湖面を走る爽快感を知りません。そのように、仕事でも遊びでも、ただ傍観者でいるだけでは新たな景色や感動も生まれません。何事も自分で行動して初めて、その本質に触れることができると思うからです。
当社は2016年にガリバーの名前を店名として残し、社名をIDOMに変更しました。社内公募で決めた名称で、これには全力で挑戦するという意味が込められています。同じく社員のみんなには挑戦し続ける心を忘れてほしくありませんし、一大転換期を迎える自動車流通業界を引っ張っていく気概で仕事に臨んでほしいと思っています。そして若い人達も同様に、夢を一緒に持てる人は何人でも加わっていただきたい。新時代へ向けてみんなで挑み、行動を起こし続けていきたいと思っています。