信頼関係を構築するには、人のために時間を使うことだと私は思っています。信頼してもらうために行動するのではなく、まず人の視点に立って考え、何よりも人の心に寄り添っていかなければいけません。その先に、真の意味での信頼関係が生まれるのです。
そして人から掛けられた言葉というのは、どんなに本人のことを思って発した言葉だとしても、信頼関係を築いた人からの一声に勝るものはないでしょう。
とくに当社は人材派遣を事業としていますので、人生で回り道をしないよう、できるだけ近道を歩ませてあげたいと考えてきました。ただ、どれだけ「こうした方がいいと思いますよ」と伝えてもお節介な助言になりかねませんし、会社から言われて行動に移すことは自分の意思とは言えず、やらされた感も出てしまうでしょう。だからこそ一人ひとりの想いを具現化していくために私たちは丁寧に時間をかけ、真摯に寄り添い信頼関係を構築することを心がけてきました。そうした社員が集う組織にしていきたいと思っています。
そのため当社の責任者には、積極的に全国の各支部へ出向いてもらい、できるだけ人に会う機会を作るよう促してきました。

昨今はZOOMや電話でのコミュニケーションも一般化しつつありますが、やはり対面での会話は心が通いやすく、問題も解決しやすいように感じます。そして相乗効果として、社内の空気も変わり、売上の向上にも繋がってきました。最近ではそうした良い循環を生かせるよう、社員の給与体系を見直し、若いうちから十分に稼いでいけるような環境づくりにも努めています。
当社は2025年度に創業20周年を迎えますが、本社のある大阪や東京、名古屋に加え、福岡や沖縄にも支部を展開していく予定を立てています。しかし、今後組織の規模が大きくなり、業績が向上したとしても、私自身は経営者としてまだまだだと思うでしょう。勉強に終わりはなく、むしろ上に行けば行くほど学ぶべきことは多くなってきたと痛感しています。
そんな私も、若い人から学ぶことは数多くあります。経験は浅いかもしれませんが、圧倒的な熱量で結果を出している方々を数多く目の当たりにしてきました。つまり大切なのは熱量なのです。その熱量があることによって、良い仕事に繋げてきた若者をこれまで幾度となく見てきました。
だからこそ、自分の中に潜む熱量を無駄にせず、自ら決断していく人になってほしいと願っています。わからないことがあるのなら、躊躇わずに人に聞けばいいでしょう。私自身も聞いてほしいと思っています。そして最終的には、自分で決断を下し、その決断を信じて行動できる人材になっていただければと思っています。