父は工務店を営んでおり、私は2、3歳の頃から父に建築現場に連れて行ってもらい、職人さんたちの仕事を見てきました。お客様の笑顔を見て、建築の仕事は人を喜ばせる良い仕事なのだと、憧れを抱くようになったのもこの頃からです。
その後、私は自ら進路を探し大手ゼネコンに就職をしました。初めての現場は都内にある高校の増築工事です。「これをやってみて」と言われたことを何とかこなすと、先輩が褒めてくれるのです。自分の力量が足りないことは分かっていましたが、できる限りのことは何でもやり、「教えてください!」とアピールしては技術を吸収する。そうした日々が私の喜びになっていきました。その当時に付けていた手帳は、今でも大切に残している私の宝物です。
現場監督として経験を積んだ後、体調を崩した父の再三にわたる求めに応じて実家の工務店に入社し、その後独立しました。初めは妻と二人の会社です。社名の「万葉」は、種をまくと二枚の葉っぱが顔を出し、光を浴びて水を得るとその双葉が葉っぱを増やして1万枚の笑顔の葉っぱになるようにと願いを込め、名付けました。何代も続いている建設会社さんが多い中で、最初の仕事を頂くまで苦労しましたが、初めての仕事を頂いたときは本当に嬉しかったです。それから先は「佐々木さんだったら任せるよ」と言っていただく機会が少しずつ増えていき、その信頼に応えようと懸命に働きました。

2024年に20周年を迎えた弊社は、木造の住宅や住宅のリフォーム・メンテナンスから公共工事まで幅広く手掛けており、お客様から直接仕事を頂く元請けという立場で、保育園や学校、工場、福祉施設などの建築に携わっています。図面を書き現地の調査を行い、工事からその後のフォローまで一気通貫に行っています。何か一つに特化した方が、正直利益率も高いのですが、ご縁を頂いたお客様のライフステージにも寄り添える仕事ができるようにと、あらゆる業務を網羅してきました。弊社にはさまざまな経験と技術を持った社員が集まっており、ますます面白い会社に成長しています。資格取得補助制度の充実や、休みが取りやすい仕組みづくりを行い、先月より今月、今月より来月、彼らがより幸せになるために何ができるかを日々考えています。
私の思いは、「人のために何ができるか」、その一点に尽きます。ぜひ若い皆さんにも、自分のためだけに物事を考えるのではなく、人の苦しみもわかる人間になってほしい。それが周りの人を助け、巡り巡った結果、自分をも救うでしょう。私は人が大好きです。ぜひこれからを担う若い方々も人を大好きになっていただき、人を深く思い、自分にできることを探して行動する人材になっていただければと願っています。