学生時代は2歳の頃から始めたクラシックバレエに熱中する日々を過ごしました。その一方で、事業家家系だった家庭環境は少し特殊だったかもしれません。例えば、欲しいものがあれば「それを手に入れることで一体どうなるのか」を親にプレゼンする必要がありました。そのおかげか自然と交渉力が培われたように思います。
その後、バレエに関しては国内やフランスで多くの舞台に立ち、21歳で引退。しかし、いざ仕事をしようと思っても、私の性格上、どこかの企業で長く働くことは難しいと感じていました。幼い頃に子役やモデルのオーディションを受けていた当時、不合格と知るたびに「理由を教えてください」と審査員のもとまで乗り込むような性格だった私は、不合格という結果に対して学びや気づきを得られないこと、すなわち時間が無駄になってしまうことが嫌だったのです。このような合理的な考え方や、必要があれば説得や交渉を厭わない姿勢が、企業で勤めることに難しさを感じた理由でした。それは昔も今も変わっていません。

「自分は一般ウケしない」という自覚を持ち、我が道を行くことを決めた私ですが、やりたいことをやる以上、人から評価を頂くことや大嫌いな勉強も大切だということは理解していました。だからこそ目的に応じてやるべきことはきちんとこなし、経験と自信を積み上げてきたつもりです。しかし、事業内容の軸に関してはやはり「自身のやりたいこと」に他なりません。つまり、やりたいことを追求していった結果、気づけばそれが事業になっていたという感覚です。
事業の先駆けとなったのは腸内洗浄機器の輸入でしたが、これも私自身がもともと胃腸虚弱体質で、「日本国内でも腸内洗浄が気軽に行えるようになってほしい」と思ったことが始まりでした。そして「いつまでも健康で若々しくいたい」という私の理想に端を発し、現在当社では「美容と健康の総合商社」として、再生医療関連の商品などを取り扱っています。私自身が効果を感じ、きちんとエビデンスのある商品のみを厳選して皆さんにお届けすることで、見た目にも若々しい高齢者の笑顔が日本に増えることを目指しています。
若い皆さんには、「自分にはこれが向いている」「これが向いていない」といったように、自分の可能性を自分で決めつけないでほしいと思います。たとえば、自分のやりたいことに対して周囲から反対があったとしましょう。それは貴重な判断材料にはなりえますが、絶対ではありません。ですから、まずはチャレンジしてください。そして得た結果を受け止め、もしうまくいかなかったのなら、手段や場所、ジャンルを変えて繰り返しチャレンジすることです。物事はどんなきっかけで日の目を浴びるのかわかりません。自分の思い込みで諦めることだけは避けてほしいですね。