時代というものが日々少しずつ変化しているように、当社も細かい変化を繰り返し、今日に至っています。事業でも同様に急激な変化をいきなり起こすのではなく、堅実な積み重ねを大事にしています。例えば車のオイル交換一つとっても、お客様の車に最適なものを説明し、提案するのが専門店としての務めです。あらゆる手を尽くして集客したり、価格競争に無理に参入する必要はありません。お客様との信頼関係を構築するなど、着実な取り組みが会社の未来をつくるのです。当社では個人の損得ではなく、共同体の利益を考えることが行動指針であり、社風としても醸成されています。フランチャイズのオーナーの方々にも、自分たちだけではなく総合的な利益を考えてほしいと徹底して伝えています。もともと共同体の利益とは当社創業者の大事にしていた考えです。私もその意志を受け継ぎ、ゆくゆくはさらに次の代にバトンタッチできるようにしていきたいです。

今はイエローハットと聞くと、カー用品専門店だとイメージできると思います。しかし、私が社長に就任した頃、当社の知名度はそこまで高くありませんでした。テレビCMを打ち出す際はゴールデンタイムや固定の時間帯の枠を使わず、ランダムな隙間の枠を活用しました。そのように宣伝を少しずつ行っていった結果、当社の名前が徐々に浸透していったのです。前線に立つフランチャイズを応援するべく、宣伝には今でも取り組んでいます。例えば、2019年から毎年8月10日を「ハットの日」としてさまざまな企画を行っています。具体的には、社名に「ハット」がある他社さんとのコラボレーション。キャンペーンの動画は各社が配信しており、さらに各社のお客様にとってもお得な情報が手に入るため、いい相乗効果が生まれていると感じます。
私は若い皆さんには幸せに生きてほしいと思っています。そして願わくば、周りの人をも幸せにしてもらいたい。一方で、周囲を幸せにするにはまず自分が幸せにならないといけません。そこで、私の考える幸せに生きるための大事な要素をお伝えします。まずは仕事。人生のうち長い時間を占めるのが仕事ですから、楽しく働ける方が幸福度は上がるでしょう。熱量を高く保ちつつ、日々の業務に工夫をこらすことを忘れずに取り組んでほしいです。次に自分を大切にすること。具体的には、仕事以外に趣味など自分の時間や世界を持つことです。特に大事なのは健康。気付かぬうちに失われていくこともあるので、目を向けるようにしてほしいです。最後は家族。自分が活動する上での礎である一方、年齢を重ねるごとにさまざまな問題に直面することもあるでしょう。近いからこそ意識しづらいかもしれませんが、ぜひ積極的に家庭を明るくしていってほしいです。その働きかけが自分の助けにもなるでしょう。