当社グループは、教育事業を行う「ヒューマンアカデミー」、人材事業を行う「ヒューマンリソシア」、介護事業を行う「ヒューマンライフケア」を中心に、保育、美容、スポーツ、ITと、人に関わる事業を幅広く展開しています。「職に就くところまでをサポートして、はじめて教育は完結する」という創業者の思いから、教育×各事業運営という現在のメインストリームが生まれました。
私は大学卒業後、日興證券株式会社(現:SMBC日興証券)へ入社し、やりがいを感じながら毎日を過ごしていました。しかし入社2年目の冬、突然父から「会社を手伝ってくれ」と言われました。父の会社は設立4年目のベンチャー企業で、私は内心複雑な気持ちでしたが、当時の目標であった起業のための経験にできるという思い、社会人経験を経て得た自信、そして父の力になりたい気持ちなどが混ざり合い、この船に乗る決意をしました。
管理部門の立ち上げに始まり、事業の多角化、経営改善などを経て、2002年にヒューマンホールディングス株式会社を設立し、代表に就任。「為世為人(いせいいじん=世のため人のため)」の経営理念に沿い、論理的思考や差別化戦略に重きを置いた経営を重視しています。たとえば、各社員の業務プロセスをすべてデータ化し、成功率の高い社員のノウハウを全体に共有するといったことです。
また、経営理念の下にステークホルダーに提供する価値として「SELFing」があります。これは簡単に言えば、「なりたい自分になる」ということです。人の原動力のひとつは目標であり、自発的に「どうなりたいのか」という具体的なイメージを描けなければ、周りがいくら言ったところで自発的には動けません。社員に対しても「SELFing」を提供して目標を明確にしてもらい、各個人の「自分らしい生き方」をサポートしています。
日本が抱える労働人口減少という深刻な課題に対し、さまざまな角度から解決の一助になりたいと考えてきました。リスキリングやIT活用により労働生産性を向上させるサービスの提供に加え、海外の介護人材やITエンジニアに当社の日本語教育を提供し、この国の労働力になっていただく。もう1つは、育児や介護等の事情がある方に、当社の保育・介護事業を通じてサポートし、労働市場に出てきていただくことです。「人」に関わる事業を展開する私たちだからこそ提供できるソリューションを今後も模索してまいります。
若い皆さんには、いち早く「なりたい自分」を明確にして「SELFing」をぜひ実践してほしいと思います。ある若くして管理職に就いている社員は「カッコいい男になる」という目標を立てています。このように、綺麗ごとではない、心からなりたいイメージを持てば、常に自ら考え、行動する人間になれるでしょう。そうすれば、毎日の仕事はもっと楽しく、充実したものになるはずです。