大人しい幼少期に訪れた最初の転機は小学５年生の時。硬式テニスを始めたことでした。学校以外にもコミュニティができ、ライバルや仲間が増えたことで視野が広がりました。テニスは試合に勝てば評価され、負ければ何も残らない実力主義の世界。一つのステージで勝ち上がっていくことに価値を感じるようになり、私の価値観に大きな影響を与えました。スポーツにはチーム競技もありますが、私が身を置いたのは一対一の世界。勝ち負けも全てが自分の責任であるテニスという競技は、私の性格に非常に合っていたのです。後の人生にも通じる責任感はこの時期に養われました。

２回目の転機は、大学入学後にダンスを始めたことでした。気づけば生活の中心はダンスになり、大学は一年半で中退。凡人だった私が夢中で続けたことで、少しずつ道が開けていきました。やがて、あるダンサーとの出会いをきっかけに、ダンススクールのインストラクターとして働くことになり、社会人としてのキャリアをスタートさせました。ダンスのレッスンだけでなく、ポスターやチラシの制作などクリエイティブな仕事も担い、文字通り全てを一人で抱える日々。それでも、自分にしかできない仕事に価値を感じ、自信へとつながっていきました。一つひとつの仕事に対して、人の期待を１ミリでも上回ること。それがテニスやダンス、そして今の仕事にも共通する、私の根幹の価値観だと考えています。

そして、現在の業界に転身することとなったのは26歳の頃。交通事故で怪我を負い、ダンサーとしての道を諦めました。ダンサーからフィットネスクラブのトレーナーとして再スタートを切ったのです。その後、転職を経験し、SUMIグループの会長秘書を経て、今ではグループ会社の社長としてマシンピラティスやパーソナルトレーニング事業を全国に展開しています。現在はスピード感のある会社づくりを行っており、出店やマーケティングからオペレーションまで、全てをシンプルかつ効率的に整備。今後もSUMIグループの拡大に貢献できるよう、戦略を立て、実行していきます。

私は生まれながらのエリートではありません。歯を食いしばり、無理を重ねてきたからこそ、ここまで来られました。「無理は自分の必殺技」──その積み重ねが、会社を４年でここまで大きくしたのです。夢は、語るものではなく掴み取るもの。努力と行動を積み重ね、そして、結果を出すこと。そうしてこそチャンスが与えられるのが現実です。周囲のプレッシャーや妬み、批判にさらされることも多々あるかもしれません。しかし私は常に慣例を疑い、同調圧力に屈せず、自分の意見や信念を貫いてきました。凡人だった私は、努力を積み重ねることで景色を変えてきました。そしてこれからもグループへの忠誠心を忘れることなく、自分の信念を貫き、”努力の天才“として証明し続けます。