ゲームセンター全盛期だった大学生時代。ゲームに夢中になるまでに時間はかかりませんでした。また、知り合い同士のコミュニティが形成されており、私にとっては人とつながれる場でもあったのです。こうして大学生活を送っていたのですが、4年目時点で単位が足りないことが発覚。区切りをつける必要性を感じ、中退という形で学生生活に幕を下ろしました。そして、迎えた就職活動。1社目では契約社員として、職種問わず、物流から雑用までこなしました。給料の中で生活できたため満足はしていたのですが、徐々に「手に職をつけたい」「収入を増やしたい」と思うようになり、転職を決意。2社目では営業職に初めて挑戦したのです。実際入社すると、マニュアルもなく、ノウハウを教えてもらう機会もほぼなかったため、試行錯誤するしか方法はありませんでした。実のところ、私は勉強して試験に臨むことに得意意識がありました。しかし、基礎を学べるテキストがなければ不安で、上手くこなせない。この頃は自分の弱点を自覚した時期でもありました。幸いにも人のご縁に恵まれて仕事を続けることはできましたが、今後のキャリアを考えると、自分は技術職の方に適性があると考えるようになったのです。そして、2社目を退職後、小学生から娯楽として使っていたパソコンの存在を思い出し、プログラミングに本腰を入れ始めたのです。
その後に転職した先がシーエープラント。当初は負けん気を原動力に、業務をこなしていました。しかし、発電機の販売事業が始まったことで事態は変わります。この事業で中心メンバーとなったのは、私ともう一人の営業職員。さらに、メーカーが認証する技術者は国内に私一人しかおらず、誰にも相談できない状況。この責任の重大さは、私の仕事の取り組み方や仕事観を変えるには十分でした。自ら学んできたことを活かさなければいけない。誰よりも詳しくなり、対応できるようにならなければならない。負けん気は自分の内側にある原動力でしたが、お客さまのことを考えられるようになり、徐々に外向きになっていきました。今となっては一つの事業として確立した上、私の力を発揮させてくれた環境に感謝を感じています。
就職に備える方々にお伝えしたいことがあります。まずは会社のために働くのではなく、自分のために働くという優先順位のつけ方が重要です。その結果として、自分の成長が会社への貢献になれば最も理想的です。会社側は人材の育成を通して、若手の未来の活躍に期待するのが一般的です。しかし、これは会社側の論理であり、雇用される側は会社という場を上手く活用し、学ぶことが個人の幸せや人生に大きな影響をもたらすはずです。何よりまず自分の幸せが第一。滅私奉公は決して続くものではありません。楽しく仕事するためにも、会社と自分の優先順位を逆にせずいてください。





