当社は人材能力開発や営業能力開発を目的として、企業及び個人向けの教育研修やコンサルティング事業を行っています。私がトップセールスマンとして道を歩む中で培ってきた経験やノウハウを基に、現在では講習やセミナーを行っています。
私たちが研修を行う中で、特に時代の変化を身近に感じるのがAIです。AIは自ら考える力や機会を保ち、培ってきた能力や創造性を十二分に発揮できるよう活用することが重要です。つまり創造性や人間性に欠けた、無味無臭のビジネスにならないよう注力しなければなりません。大きな仕事をするには浅瀬で満足せず、より深海(ふかみ)に漕ぎ出し、私達人間がAI活用の価値をより高めていく必要があると考えています。
例えば、AIを活用した資料作成を例に挙げると、より重要なのは、完成したものを誰が、どのようなタイミングで、どのようなエネルギーでクライアントに提供するかという戦略です。この戦略こそが大物を得られるかどうかを決定づけるものであり、資料の完成という浅瀬ではなく深みへ挑戦することが大事なのです。このように、AIが発達すればするほど、人間や世の中において原理原則はいつの時代も変わらず、普遍的だと思う瞬間がしばしばあります。
人間である以上、努力に勝るものはありません。だからこそ、日々「これだけやっているぞ」と誇れるような仕事をすることが大切なのです。
また、人として日常生活やビジネス共に欠かせないのがコミュニケーション。昨今のコークリエイト(共創)、コーオペレーション(協同)という言葉に見られる通り、コー(Co)とは双方向を意味するのです。一方、単方向に話すのはカンバセーション(conversation)で、コミュニケーションとは決定的に異なる点があります。それは、相手の話す内容に影響を受け、決意が固まることや、自分の意志に変化が起こることです。簡単な例を挙げると、「友達が頑張っているなら、自分も頑張ろう」といったケースです。若い皆さんには、コミュニケーションという言葉が字義通りに持つ本質を忘れずにいてほしいです。
さらに、コミュニケーションを語るのであれば、人間関係を学ぶことも欠かせません。最近では時折、伝統歌舞伎を鑑賞する機会がありますが、非常に学びが大きいと感じています。歌舞伎の世界は世襲制であり、役者は幼い頃から父親や兄弟の稽古を見て「早く一人前に舞台に立ちたい」と強い成長の意思を持つようです。そのような自分を磨ける環境に飛び込んでいくことが、コミュニケーションの背骨になるのではないかと考えます。コミュニケーションと人間関係は不可分。皆さんにはスキルやテクニックにこだわることなく、経験を積むことの重要性をお伝えしたいです。





