当社は、IP無線機と緊急地震速報機器の導入数で国内トップクラスのシェアを誇る企業です。機器の販売だけでなく、設置や保守まで一貫して対応しており、工場や保育園、福祉施設など幅広い業界で採用されています。
2006年に会社を設立して間もなく、緊急地震速報機器の代理店業に参入。当時の従業員は5〜6人、社名も知られていない状況でした。私は「業界トップシェアを目指す」と周囲に話しましたが、多くの人は「無理だろう」という反応でした。他人は無理だと思っている。しかし、自分にはできるという確信があった。あえて逆の考え方を貫いたのです。
どうすればトップを取れるか。試行錯誤の末に思いついたのが、現在も当社の事業の核である「自販機と連携した緊急地震速報装置の無料設置モデル」でした。携帯電話が爆発的に普及した背景には「0円携帯」や「実質0円」といった低価格・無料販売の戦略があります。これにヒントを得て、導入コストの壁を取り払うことで普及を加速。結果として業界トップクラスのシェア獲得につながりました。
このような逆転の発想は、単なるひらめきや偶然の産物ではありません。普段から学び、知識や経験を積み重ねている人にこそ身につきやすい思考法だと考えています。私はテレビを観ているときなど、日常のあらゆるシーンで情報のインプットを欠かしません。また、著名なビジネスコンサルタントの音声教材を20年間聞き続け、仕事への理解を深め、逆転の発想が生まれる土壌づくりをしてきました。
学生のうちは学業が本分かもしれませんが、学業にこだわらず、興味のあるものには何でも果敢にチャレンジする姿勢も大切です。おすすめはアルバイト。まずは稼ぎたいだけ稼いでみてください。お金を稼ぐ苦労や価値を実感し、働く意味を理解するきっかけになるはずです。コミュニケーションスキルや時間管理能力も自然と鍛えられます。将来のキャリアの選択の材料となり、単なる「稼ぐ」を超え、自分自身を理解する貴重な機会となるでしょう。
学校が「お金を払って学ぶ場所」なら、アルバイトは「お金をもらいながら学べる場所」といえます。働くことは大変なイメージがあるかもしれませんが、お金を得ながら多くの経験やスキルを得られる、かけがえのないチャンスでもあるのです。そうやって逆に考えると、社会に出ることは案外悪くないと思いませんか?
これも逆転の発想の一つですね。ネガティブな状況を、ポジティブに変えてくれるパワーがあります。こうした柔軟性を身につけるためにも、まずは何かに挑戦してみてください。失敗も成功も含めた経験が、あなたの考え方や価値観をどんどん豊かにしてくれるはずです。





