コア事業として毛髪用化粧品の販売と製造を行い、”子どもの眼“をもって新たな商品や事業を育む企業。当社を一言で表すと、そのように言えるでしょう。
当社の起業に挑もうと思ったのは、私の厄年が終わったタイミングでした。私は元々、水に溶ける羊毛ケラチン技術を研究しており、いつか世の中に役立つものを提供したいと考えていたのです。特にパーマやカラーで傷んだ毛髪用の化粧品として世に送り出し、世の中でどれだけ役立つかを実証してみたかったという気持ちもありました。毛髪化粧品の具体例を挙げると、トリートメント。当時はトリートメントというと1週間ほどしか効果が保たれないものという認識で、美容室側も売上の重要なファクターになるとは考えていなかったのです。その時代から当社ではケラチン技術を使い、髪へ根本的なアプローチをすることで価値を生み出してきました。そうした独自性が当社の強みであり、今も成長しつづけている要因の一つです。
私が事業を行う上で大事にしている考えは、諦めないこと。その重要性は、研究者としての経験から痛感しました。過去を振り返ると、どれだけ研究に努めても、結局は毎日同じことを繰り返し、1年から3年経っても結果が出ない時期もありました。
そして、年単位で暗中模索した結果、努力が結ばれたのは突然のタイミングでした。3年間はまさに苦しみの連続でしたが、諦めないという精神で最後まで持ち堪えることができたのです。とはいえ、一生懸命取り組んだからといって、結果が毎回ついてくるとは限りません。一方、結果を掴むためには、継続して努力するしかないことも事実。その現実からいえば、簡単に諦めないこと以外の選択肢はないと、私は考えています。
また、絶えず強く物事を意識することで、打開策を見つけられることもあるでしょう。チャンスや運命を掴むことは、まるで見えないものを掴むかのよう。しかし、問題意識を持つことで、今までは注意もしなかったさまざまなことに意識が向かい、着想が得られることもあるはずです。
リトル・サイエンティストという社名には、「子どものようにあらゆるものに目を向け、好奇心を持ち、答えを探す」という当社の理念が込められています。子どものように純粋な好奇心からクリエイティビティを発揮するには、柔軟性が欠かせません。つまり、大切なのは大きな器ではなく、どんな形にでもなれる柔軟な器をつくっていくこと。柔軟な器をつくることで、どのような形でも納めることができるからです。だからこそ若い皆さんには、柔軟に物事を見ることのできる”子どもの科学者“の気持ちを忘れずに力を発揮し、前進していってほしいです。





