1990年4月の設立以来、当社はFT(金融工学)とIT(情報工学)を統合したFinTech(フィンテック)により、金融業界のデジタルトランスフォーメーションを支援してきました。金融業界とIT領域、この2つはどちらも変化が多く、激しい波が押し寄せることも。そのような中、現在当社は2つのテクノロジーを活用しながら事業を展開しています。
1つ目は生成AI。学習した膨大なデータを基に、傾向やパターンを捉え、新たなアウトプットを生成するテクノロジーです。
2つ目はAPI。これはシステム同士を連結させる窓口のようなもので、データや機能の連携を叶えてくれるもの。当社が目指していきたいのは、資産運用や相続財産承継に生成AIを活用し、そして複数のシステムをAPIで連携していくということです。
この取り組みは、アセットマネジメント業界と税理士業界の中に、FinTechの可能性を広げ、革新をもたらすと信じています。そのためには、新たな技術や知識を常に学ぶことが鍵になります。
新しい技術や知識を学ぶとき、若い世代が持っている情報や使い方はとても役立ちます。年上の私たちも、若者の意見に耳を傾けることが欠かせません。リモートワークややオンライン会議、ゲーム制作など、彼らは新しいツールやテクノロジーを私たちよりも素早く使いこなすだけでなく、そこから新しい仕組みやビジネスをも生み出すこともできます。さらに、生成AIのような新しい技術も、年下の人のほうが具体的な活用法を知っていることが多いのです。私自身も、彼らの操作や工夫を見ながら学び、サイエンティフィックでありアーティスティックなプロダクトが必須と考えています。
ただ、若い世代には一つだけ足りないものがあります。それは、戦略を立てて実行する力です。
つまり新しい技術を「何のために」「どう使えば社会に貢献できるか」という視点が必要だということです。これは経験不足ゆえに生まれる苦労であり、ごく自然なことです。伝統の継承と革新の融合こそが重要と言えます。
コロナ禍は、従来の常識を大きく塗り替えました。しかし、新しい常識が生まれる過渡期にいたこと自体が、若い世代の強みでもあります。固定観念に縛られず、社会人生活をスタートできるからです。以前のやり方で成功した人が、今も同じように通用するとは限らない。生成AIとAPIの時代は、スタートラインは皆ほぼ同じなのです。
だからこそ、若い皆さんには常識を塗り替える「破壊的イノベーター」を目指してほしいと思います。若いうちの柔軟性は大きな武器です。仮説と検証を繰り返し、成功をつかみ取れる回数が年長者より多くあるのです。




