建設業を営む当社では平均年齢30代の若い世代を多く抱えており、さらに女性も大活躍しています。私がこの業界に入ったのは20歳の時。当時は現場の管理者として一人前になるべく、知識を身につけ、技術を磨こうと必死な日々でした。とはいえ、源にあったのは「努力しよう」「頑張ろう」というモチベーションというよりは、現場の張りつめた緊張感からくる義務感でした。現場には年上の親方もおり、右も左も分からない20歳の指示が簡単に通らないのは自然なこと。だからこそ、早く仕事ができるようになる必要があったのです。
徐々に仕事をこなせるようになると、周囲の人々からも認められ、大きな自信につながっていきました。当時は起業する目標もあったため、事務面や人脈づくりなど、現場以外のことにも学びの幅を広げていったのです。
当社は建設業界における「働き方のパイオニア」になることを掲げていますが、それは私の現場経験がきっかけとなっています。緊張感の強い現場、一生懸命に仕事をする人々への正当な評価や報酬体系など、あらゆる点で問題意識をもっていたのです。だからこそ、私は業界の課題を克服した上で、当社に貢献してくれる社員には幸せになってほしい。そのような想いから、時間外手当や給与、休暇を含めたワークライフバランスなど、さまざまな角度から環境を整えてまいりました。
また、昨今は教育事業にも力を注いでいます。年齢を重ねるにつれてその重要性を痛感するようになったためです。人は知識量が増えると考え方が多角化し、思想すらも変化します。自らが考える正しさに加え、外からの学びがあってこそ、人は成長できるのです。私は事業を通して、利他の精神をもち、自他の幸福を大事にできる人が増えてほしい。自分だけが幸せ、あるいは相手だけが幸せなのではなく、両者共に幸せになれることが理想です。そのような生き方をすることで、同じ考えをもつ人々とのご縁にも恵まれ、理想の状態になっていくでしょう。全ての人は難しくとも、社員など身近な人を良い循環に巻き込んでいきたい。代表取締役として仕事を与える側になってから、社員の幸せが自分の幸福であると常々感じるためです。人に与え、人から与えられる自他の幸福を、これからも追求していきます。
若い方々には与える側を目指すほか、積極的に挑戦をしていただきたいです。失敗は恐ろしいものかもしれません。しかし、失敗とは挑戦した証拠にすぎません。ゴールまでの計画を立てる過程、そして達成した瞬間は楽しく、輝いている時間でもあります。ぜひ、大きすぎると周囲に笑われるほどの目標を立ててください。達成した時に見える景色は、言葉にならないほどの絶景に違いないでしょう。





